山の草場へえさを食べに行く、三びきのやぎ。
でも途中の橋には、おそろしいトロルが住んでいます。
やぎたちは、どうやって橋を渡るのでしょうか!?
ドキドキハラハラの展開に目が離せない!!
数ある絵本の中でも、かなりスリルのある作品ではないかと思います。
スリル満点の絵とストーリー展開!
橋の下に住むトロルが大迫力で、思わず息を飲んでしまいます。
物語の後半になると一気に盛り上がり、手に汗握る展開に・・・!
最後の場面でようやく平和が訪れ、読み手も「ほっ」と安心します。
その緩急がクセになり、何度も触れてみたくなります。
物語全体を通して緩急があり、余韻が長く残る作品です。
読後も気になる、やぎたちの思い
「後から自分より大きいやぎが来るよ」と言ってトロルから逃げた、小さいやぎと二番目のやぎ。
それは大きいやぎへの信頼からだったのか?
三びきの絆の物語なのか?
もしや、もともと三びきで計画していたのか?
いや・・・でもやっぱり、保身のために仲間を売ったのかも・・・。
最後まで、正しい解釈は分かりません。
だからこそ何度も読みたくなるし、大人も惹き込まれる理由なのではないかと思います。
巧みな言葉選び
やぎたちは、いずれも名前を「がらがらどん」と言います。名前の響きもいいですし「二ばんめやぎのがらがらどん」というように三びきの同じ名前をうまく呼び分けており、物語が自然と流れていきます。
また、橋を渡る音を「かたこと」「がたごと」「がたんごとん」と表現することで、リズムがよいだけでなく、それぞれのやぎの重量感がよく伝わってきます。
もう一点、少し残酷とも言える描写があるという一面もあります。
「つのでめだまをくしざしに・・・」
「にくもほねもこっぱみじんに・・・」
最近の絵本ではあまり使われない言葉に少しギョッとします。
私は、残酷な描写のある絵本を読むことに抵抗を感じることがありました。
子どもに悪影響を与えてしまったらどうしようという思いがありました。
そんなとき、心理学者の河合隼雄さん、絵本作家の柳田邦男さん、松居直さんによる著書「絵本の力」の中にあった言葉にヒントをいただきました。
というような内容でした。保育を行う中で、読み聞かせをする大人がどのような関わりと意図をもっているか、また目の前の子どもの発達や心理状態はどうか、ということを意識するきっかけとなりました。
絵本は1冊1冊が本当に、奥が深いなと改めて思います。
こちらの絵本は、CD付きのものも販売されているので、気になる方は、こちらを参考にしてみてください(*^_^*)
【おすすめ絵本】
コメント